アメリカ留学レポート
地域文化学科 中村信輔さん
Saginaw Valley University
サギノーに来て4か月経ちます。アメリカに来て、異文化との遭遇が、とても少ないなと感じます。ちょっと違う世界に足を踏み入れる、というのは、その世界に相当な魅力を感じなければ、興味本位で終わってしまいます。
僕もこちらに来て、一度、大きなイベントに出場した後、fraternity(ファータニティー)という、メンバー同士を兄弟と呼び合う男性サークルの勧誘を受けましたが、異文化に遭遇した感動、関心より、自分の偉業を周囲が認めてくれている優越感の方が勝ってしまっていたので、何も行動を起こすことはありませんでした。今思えば、これはユニークな留学生活への大チャンス。もったいない気もします。
サウジアラビアの祝典です。
留学生でもかなりの数がいるサウジアラビア人なので、料理もものすごい量がでます
寮の同じ棟の人で集まって遊んだ時の写真です
一般的に、英語圏など、文明文化の共通点が多い、いわばメジャーな留学先では、自分にとって、とても興味が惹かれる、魅力的な異文化を発見することが365体育直播だと感じます。そうでなければ、日本の大学生活を、周囲の人間の人種を変えただけの生活になってしまいます。
日本には、魅力的な旅行先も、色んな考えを持っている友達も、語学を学べる環境もあります。外国人が回りにいる環境がいいなら、JCMUの国内留学もあります。(去年の夏に2週間行きました。素晴らしいプログラムです。)
アメリカに来て後悔していることは、トイレとお風呂の面以外は特にありませんが、なに不自由のない、理想的な生活を送りたければ、日本に居ても変わらないな、と感じるときもあります。
僕の場合、この大学はサウジアラビア人と中国人が多く、どちらかというと、生で見たサウジアラビア人ルームメイトの礼拝や、(扉を開けると、僕の部屋の方角に向かって礼拝していました。)、せっかく作ってくれた料理を味見する前から臭い酢や、ラー油を入れる中国人のテイストなどに驚かされていました。
あとは、Facebookで目にする人種差別的な投稿など。いろんな国のカルチャーショックを、田舎の大学で体験できることは、人種のるつぼと呼ばれるアメリカならではのものかもしれません。
キッチン、スペース充実の寮です
パキスタンの友達にやってもらったタトゥーです
ここからは、アメリカ留学を考えているみなさんに、サギノーでの生活を紹介します。
サギノーバレーでは、入学当初にオリエンテーションウィークがあり、そこで色々なイベントや、友達を作れる環境がありました。寮も、とてもきれいです。アパートをルームメイトは4人でシェアしています。サウジアラビア人2人、アメリカ人1人、フランス人1人です。
みんなとても気がよく、フランス人以外は僕を含め全員ルーズで、僕以外のルームメイトはお酒もたばこも大音量で映画を見るのも大好きで、アパートも掃除して3日で汚くなりますが、とても優しいです。Furnishedなので、キッチン、レンジ、冷蔵庫、オーブン、全てが揃っており、バスルームも2つ、共有スペースも2か所(合計30畳ほど)、そして個人部屋です。
お金についていえば、アパートは値が張りますが、寮全体をみて、1フロア1つしかキッチンが無いところなら、外食や学食になりがちで、また費用がかかるでしょう。共有部屋が狭かったり、ベッドルームがシェアだったりすれば、自分の勉強時間や、プライベートな時間が失われるでしょう。
個人部屋のアパートがあるならば、他の費用面や、人間関係やいろいろなものを考慮してもそこに住むのが一番だと僕は思います。と言っても、自分の最初の選択が変更され、たまたまここに入居したので、下調べをしていたわけではありませんが...。
僕の部屋は特に、留学生が多い印象を受けますが、みんな語学力が高いので、コミュニケーションに困ることはありません。むしろ最初、僕は英語の聞き間違い、言い間違いばかりしていました。イベントのダンスの練習や、歌や、バレーボールなどで、会話より、笑いと体だけでコミュニケーションをはかっていたような感じでした。それでもいいと思います。語学は、コミュニケーションの道具の一つにすぎないと思います。(それに甘えていては、なにも変わりませんが...)
リップシンクコンテストの様子と、応援にきてくれたクラブの人たちです。
センターで踊りました
この翌日に帰る一緒にパフォーマンスした台湾人2人、ルームメイトのフランス人1人のためのお別れ会と、フランス人の誕生日会です
授業については、このセメスターでは語学コースをとっていました。他のTOEFLをパスした留学生はアカデミックをとっているのに...とふがいなくもなりました。グラマーなんて知っていることだらけでした。しかし、論文などで使える新しい表現や、簡単な文法の中にある便利な単語やイディオムなどを発見し、携帯に保存して、今でも暇があれば見ています。授業で発表出来る回数を増やしたり、毎日いろいろな語彙を意識して使ったりするのがいいと思います。
あとは、頭を常にフル回転させて話すこと。若いのに、ぼーっとしていては、だめです。あとは、仲良いネイティブの友達の話し方を物まねすること。文章の流れのトーンや、区切るタイミングや、発音記号の細かな違いなどです。(lとrは言葉を伝える大前提ですが、aやoも細かく発音分け出来ると、いい感じに聞こえると思います。)
次のセメスターはアカデミックになるのですが、授業は、専攻以外も登録しています。県大では取れない授業を取ってみるのも、いいきっかけになると思います。
クリスマスシーズンに出かけた時の写真です。
次のセメスターも、左の2人と一緒に住みます
留学生クラブでのパレードの様子です。
学内を歩きます。(撮影者:中村)
語学コースの生徒で行ったニューヨークです
9月は果樹園にいったり、MSU付近にでかけたり、10月は1000人の観客の前で台湾の女の子と3人でリップシンクパフォーマンスをしてみたり、ハロウィンで、友達の自治会でやっているお化け屋敷に行ったり、11月はELPの企画でニューヨークにいったり、フードフェスティバルで寿司(失敗作)を出したり、12月は、世界最大のクリスマスショップに行ったりと授業以外にも色々なイベントがありました。
冬休みは、日本人2人中国人4人でロスに行ってきます。普段は車がないと、スーパーマーケットにすら自分の好きな時間に行けないので、田舎に留学する人は、ときどきの旅行がとても楽しいと思います。あとは車のある友達を見つけること。
しかし、サギノーには、魅力的な娯楽も観光地も、近辺にはあまりないので、部屋でルームメイトと映画をみたり、話しながら勉強したり、大量の宿題に協力してもらったり、勉強するにはいい環境かもしれません。
お金のかからない、となり近所との食事パーティや、映画鑑賞や、たまの外食も、十分楽しいですし、語学重視ならば、こうした環境が、一番学ぶことも多いと思います。これが、田舎の大学の利点だと思います。
最後に、これから私はゼミのために、日本に興味がある学生のライフヒストリー調査をしたり、インターカルチュラルナイトで、日本をアピールできる出し物をしたりしてみようと思っています。
みなさんは何に重きをおいて留学先を選びますか?費用を重視する方は、僕が書いたようなことも起こり得るので、参考になればと思います。語学力向上を重視する方は、僕のように来てから困らないように、日本にいるときから単語を増やしたりしたらいいと思います。友達作りが心配なら、日本語の学科がある大学をおすすめします(イースタンのハロウィンパーティに参加して、色んな方と知り合えたので、とてもいいところだと思いました)。
色々な新発見を重視する方は、日本が、その土地の文化文明をあまり取り入れてないような、世間的に、いわばマイナーな留学先をチョイスするのも手だと思います(僕はこれから、物事に敏感になって、新発見を重視して留学生活を送っていきたいと思います)。
最後に、日本人は、留学生活のうえで大きな支えになってくれると思います。サギノー大学には僕以外に、2人日本人がいて、アパートは10秒ほどで尋ねられる距離にみんな住んでいます。
僕も留学前は、日本人とは話したくない!甘えは捨てる!なんて思っていましたが、それでも心強いのは、日本をアピールするきっかけをもらった時です。当然日本語に甘えてばかりいては、語学の向上は絶望的ですが、しっかり英語を話す時間にメリハリをつければ何の問題もありません。
国のプレゼンテーションや、日本フェステイバルでの2回のボランティア、留学生のパレードや、フードフェスティバル、どれも一人では難しいものばかりです。ライバル関係はほどほどにしながら、協力し、情報交換に役立てられれば、日本人との関係に悩むことはないと思います。
僕の書いてきた全てのことは、一般化できる情報ではありません。日本や、留学先の努力で色々変わるし、ある程度妥協もしながら(僕も理想を追い過ぎて、第二希望に決まった時はショックだったので)、参考にしていただければと思います。当然運もあります。サギノーに留学先が決まった方は、ぜひ、何でも聞いてください。サギノーはいいところだと思います。今は、胸をはってこういえます。
これで、僕のアメリカ留学日記を終わります。